終わらない香港デモと骨董品の話
この写真は、2014年11月の雨傘革命の時の写真だ。
当時も香港で美術オークションに参加していた。
朝8時30分ごろホテルから朝の散歩がてら、革命の中心地に赴いた。
学生や市民が中心になり、セントラルを封鎖するため道路を占拠するためテントで寝泊まりしていた。
早朝なので、イビキが聞こえてくるテントもあった。
2014年雨傘革命は香港の行政長官選挙に、中国共産党が圧力を加えたため市民が立ち上がったものだ。
当初、普通選挙が行われるはずだったが、全人代の過半数の支持が必要になり、
結局は、中国共産党の息のかかった候補者しか立候補できないものになり、香港市民が反発したものだった。
その後デモは香港政府が催涙弾やゴム弾などを使用して、強制排除した。
そして今、2019年8月、香港デモは、いまだに続いている。
逃亡犯条例改正案の成立に対し反対するデモであるが、もし法案が可決されれば、
中国共産党に都合の悪い人物を、半ば強制的に中国本土に引き渡し、その後の人権の保証は無いという。
その為に香港市民103万人が反対デモを今も行なっている。
その背景には、中国共産党を批判する書籍を販売していた店主が行方不明になったり、
法輪功学習者が中国本土の収容所で2019年までに4000人が
臓器狩りや暴力などの人権迫害などで不審な死を遂げている事もある。
デモ参加者には、もちろん法輪功の人々も多数参加している。
2019年8月1日のニュースで、香港のデモ強制排除のため、戦車やロケット発射装置、
ヘリからの爆撃などを行う軍隊が配備されるという。
これはまるで、1989年の天安門事件の再来ではないか。
香港市民の命の安全を祈るばかりである。
骨董古美術を生業にしていると、扱う商品や作者に関する、
歴史や時代背景も同時に学ばなければならない。
現代日本で我々が謳歌する自由は、あまりにも多くの人々の流した血が土台になっている。
香港の自由への戦いは、今まさに現在進行形の現代史だ。
もう一度、現代史、過去の歴史を勉強しなければならない。